社報shinko〜親交〜 2006年12月号

会長レポート:韓国、ベトナム、台湾での行事参加

会長 古市 實

このところ海外出張に行くことが多くなり、8、9、10月と3カ月続けて渡航した。9月8日〜9日の2日間、韓国ソウルにおいて「第8回国際ロータリー韓日親善会議」が開催された。株式会社エフ・エム・アイ社長の木本武雄さんが、大阪北ロータリークラブの会長をされている関係で一緒に参加した。とかく両国間の歴史観で認識の差異があり、理解しがたいことなどが多々あるが、ロータリーにおいてはこのような問題を超越して、相互に世界平和を期して奉仕活動のあり方を討議し合った。青少年問題、身体障害者や高齢者問題等の現状認識と対策など、共通点を見出し、職業倫理を含めて、今後一層の緊密化を図ることで2日間の会議が終わり、来年は青森で開催することが決定した。この機会に、当社ソウルオフィスの朴さんの案内で事務所ビルへ立ち寄り執務室を見学、同君の休日にもかかわらず空港と会場の往復ともにお世話になった。誌面を借り厚くお礼を申しあげる。

9月18日〜24日まで、ベトナムのホーチミン市とハノイ市で「APEC中小企業会議」が開催された。日本商工会議所と大阪商工会議所の共催で、ミッションが編成され参加したのである。海外との取引拡大や技術提供、工場進出などの海外展開の機会が持てるような視察を、主に日本企業の進出状況、現地企業の現状把握などが企画されていた。私は過去50年の間、世界各国数十カ国は訪れたことがあるが、ベトナムは初めてである。政府の関連関係や中小企業基盤整備機構、伊藤忠、丸紅などの商社幹部や中小企業経営者一行、東京・大阪あわせて約30名のミッションであった。
ベトナムは現在、社会主義共和国であるが、過去の歴史を振り返ると中国やフランス、アメリカと戦い、波乱の国づくりで25年が経過している。1986年以来、ドイモイ(刷新)政策で経済改革路線が進めてられており、90年頃には年率8〜9%の経済成長を実現していたが、以後数年減速した。しかし、計画経済から社会主義指向の市場経済に移行し、2000年以降回復して、目下第2のブームとして外資企業が多数進出しており、日本企業も600社ぐらい進出している。最も多いのは台湾企業約1500社、2位が韓国企業約1050社である。しかし最も多い投資金額はシンガポールということである。日本からの投資は2004年頃から急激に増えだしている。この理由は政治的、社会的に安定していること、対日感情が非常に良く、低廉で質の高い労働力が豊富にあると言われている。8千3百万人の市場の潜在成長性があり、中国とアセアンを結ぶ地勢学的位置が良いことや、ベトナムへODAとして今年も日本政府が908億円の援助をしている関係もあって、非常に好感的であった。識字率90%と教育程度も高いのである。
APECアジア太平洋経済協力会議は、1989年に設立されて以来、世界21カ国、地域の政府間で貿易、投資の自由化、円滑化、経済協力、テロ対策、安全保障などの問題を討議している。先進国は2010年までに、途上国は2020年までに自由で開かれた貿易で投資を達成することに合意して、目標達成に向けて協議されている。毎年秋に開催され、持ち回りで本年度はベトナムが議長国となり、9月18日〜29日にハノイで開催された。日本では1995年大阪で開催されている。来年は豪州のタスマニアで3月に開催されることになっている。

10月7日〜11日まで台北に行くことになった。10月10日の台湾建国95周年の双十国慶節式典に招かれたのである。清朝末期中華民国が革命により、孫文の提唱した「武昌起義」が成功し、1911年10月10日を建国記念日として、毎年慶祝行事が盛大に行なわれている。今年は特に大阪日華親善協会創立40周年を9月に祝っていただいたので、理事長を特命している関係で、9名の慶祝訪華団団長として訪華した。世界最高の101タワーや、日本の技術導入で10月末に開通式がされる台北〜高雄間の新幹線運行など、台北の街も数年前に行った頃と違って、ずいぶん整備されていた。地下鉄に乗ったら、若い人がすぐに立って席を譲ってくれるなど、学ぶべきことが多かった。台湾中正国際空港も9月から名称が変わり、「台湾桃園国際空港」と呼称されるようになった。「所在地の名称を」という民意で変わったそうである。民主台湾という政治体制で民の意向があらゆる所に反映していた。

誌面の関係上、簡単ではありますが、報告をさせていただきました。

写真1:第8回国際ロータリー韓日親善会議にて
写真2:APEC中小企業会議にて
写真3:台北駐大阪経済文化辨事所より感謝状をいただきました

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