社報shinko〜親交〜 2007年06月号

創業80周年の記念品 ボンボニエール

代表取締役社長 古市 尚

創業80周年の記念品を選ぶのには、ああでもない、こうでもないと随分と迷った。記念品や引き出物というのは大変難しく、既製品に名入れをしてもらったところで、心がこもってない気がしてならないし、オリジナルの商品だと個数や値段がネックになってしまう。また、差し上げる方の年齢やライフスタイルもまちまちだし、持ち運びのことも考えなくてはならないなどと思うと悩む一方である。思いとしては食器棚や納戸の片隅に眠ってしまわないような、普段使いできるもので何かないかなと考えていた。

そこで、紀宮さまと黒田慶樹さんの披露宴の引き出物として使われたボンボニエールを思い出した。BONというのはフランス語で「美味しい」とか「良い」という意味があり、ボンボンでは砂糖菓子を指すそうだ。ボンボニエールはもともと砂糖菓子を入れる小箱のことらしいが、ヨーロッパでは子供の誕生祝いや結婚式などで、幸福を表すものとしてよく使われるとのこと。Webで調べたところ、日本の皇室でもそんなヨーロッパの伝統を取り入れ、明治以降ボンボニエールが引き出物としても使われるようになったそうで、最初に使われたのは明治27年の明治天皇大婚25年の饗宴の際だと書かれていた。以降皇室では、即位、立太子、子の誕生、着袴、成年式、結婚式などの御慶事の際に制作されているそうで、プライミクスとしても記念すべき80周年にふさわしい引き出物ではないかと製作を依頼したわけである。

昨年の夏頃、以前からお世話になっている銀座のギャラリーの店主に頼み込み、作家さんを探してもらうことにした。サンプルをいくつか取り寄せたが、型があって作ってくれるようなところは当社のシンボルマークを転写でしかできないというし、手作りで作ってくれる作家さんはあまり小さいものは余計に手がかかるらしく断られた。当たり前のことではあるが、「蓋もの」というのは本体と蓋があって、それを合わせるために倍以上の手間がかかるらしい。それに付け加えてシンボルマークを入れろだとか、80周年をさりげなく表すデザインをしろとか注文をつけたので、ギャラリーの店主には大変な苦労をかけてしまった。結局、試作と作り直しに時間がかかり、納品は期日ギリギリの4月19日になってしまい、ヒヤヒヤものだった。しかし、結局は上々の出来で、記念品とは思えない桐の箱と青磁の綺麗な仕上がりに満足している。この器を手にしたみなさんは、箱に入れて眠らせることなく、お菓子を入れたり、塩昆布や梅干を入れたり、普段使いの器としてぜひ活用していただきたい。

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