Today's Notables 2021年05月

企業墓建立と一周忌

取締役会長 古市 尚


さる3月6日に父 古市 實の一周忌、納骨を西宮市の臨済宗妙心寺派、海清寺僧堂にて執り行いました。本来ならもっと多くの方々にご参列いただきたかったのですが、コロナ禍ですので親戚も最小限にしぼり、社員も役員、執行役員と社友会の方々だけにご参列いただきました。ご参列いただいた皆様にはこの場を借りて深く御礼申しあげます。


今も多くの方々から私の名前を見て「古市實さんの息子さんですか?御生前は大変お世話になりまして……」と声をかけていただくことがよくあります。父は本当に顔が広く多くの人から慕われていたことを感じます。祖父 古市 修次のお骨も埼玉にあった墓から移し、同じ墓に埋葬しましたので、やっと祖父、父、兄そして古市家の先祖を同じ墓に入れることができてほっとした気分です。同時に古市家の墓と並んで私のかねてからの願いであった会社の墓、企業墓を建立しました。

6〜7年前にある企業を訪問した際に、その会社の企業ミュージアムで、「企業墓建立」の写真と説明書きを見て以来、大変興味を持ち、どんな会社がどのような想いで企業墓を建てているのかを調べました。そうすると高野山金剛峯寺奥之院だけでも100社以上の企業墓があることがわかりました。その他にも比叡山延暦寺などにも多くあるそうです。「記録上、株式会社としては1938年の松下電器産業(当時)が最古」(日本経済新聞の記事より)とされています。墓石もユニークなものが多くあり、UCCのコーヒーカップ型の墓石や、ヤクルトの容器の形をしたヤクルトの墓石などがありました。何のためにあるのかといいますと、「奥之院の墓地を管理する高野山金剛峯寺の吉川東吾さん(57)が『企業墓と言う人もいるが、これらは企業が建てた慰霊碑』と教えてくれた。亡くなった従業員などを供養しているらしい。業界団体が建てたものもあり、古くは江戸時代、旅籠や商店が石碑を建てていたという。」(日本経済新聞の記事より)。そこで海清寺の政道玄室老師にご相談したところ、兼務されている京都の圓福寺には京セラの企業墓があるということで、早速見学に行かせていただきました。また、海清寺にも阪神電鉄の慰霊碑、ユーハイムの企業墓があり、政道老師からも企業墓を建立することは意義があり非常にいいことだとご快諾いただいたわけです。

私は古市家が繁栄できたのは祖父が起業し、父、兄が事業を引き継ぎ、何よりもそこでともに働いていただいた方がおられたからこそだと思っています。在任中に亡くなられた方もいらっしゃいますし、人生の大半の時間を当社のために費やしていただいた方も多くいらっしゃいます。また、その家を継ぐ子どもがいなかったり、家の風習で長男しか墓に入れなかったりという方もいらっしゃいます。「俺は墓なんかいらない」という方もおられますが、本人はそれでいいのでしょうが、残された者にとってはそう思えません。故人を偲んで先祖に感謝して手を合わせたいと思っても、手を合わせるところがないのは悲しいものです。それらの想いがあり、過去への感謝の気持ち、またご希望の方には永代供養墓としてお使いいただけるよう企業墓を建立したわけです。会社にもご理解ご協力をいただき企業墓を建立できたことに厚く御礼申しあげます。私が元気でいる限り、しっかりサポートしていきたいと思っていますので何卒よろしくお願いいたします。


企業墓は古市家の墓とならんでいます


左側面にトクシュ技研株式会社、右側面に特殊機化工業株式会社
最新情報
ニュースリリース
展示会情報
メディア掲載情報
社報shinko〜親交〜
Today's Notables

HOME > 最新情報 > Today's Notables > 詳細

ページの先頭に戻る