Today's Notables 2009年11月

食は全州にあり

代表取締役社長 古市 尚


毎年恒例となりました海の日連休の食べ歩き旅行。今年は韓国、全州に行きました。全州はチョンジュと発音され、三国時代、百済の頃から発達した古い町だそうです。チョンジュは湖南平野に位置し、その穏やかな気候と豊かな土壌から農作物が豊富で「味の都」とも呼ばれている地域です。また、歴史と伝統が守られ「昔の街並み」を再現したところや、古民家も多く現存していて観光にも最適です。ということで、今回はチョンジュ名物ビビンパ、もやしスープ、そしてちょっと足を伸ばしてコチュジャンにフォーカスした旅をして来ました。

今や日本で誰もが知っている韓国料理と言えば「ビビンパ」ですが、チョンジュはビビンパ発祥の地と言われていて、全州のビビンパ、平壌の冷麺、開城のクッパが朝鮮王朝時代の三大名菜とされています。現在ではその三大名菜が無形文化財にも指定されているので、韓国料理を代表する料理として我々に馴染みがあるのも納得できます。 もうご存知の方も多いと思いますが、「ビビンは混ぜる」、「パはご飯」ということで、「混ぜて食べるご飯」と言う意味なのです。我々が食べに行ったお店は「古宮」と書いてゴグンと読むビビンパの専門店です。ここのパンフレットによるとビビンパに使っているご飯は牛の骨の出汁で炊いたものだそうです。それと、日本ではあまり馴染みのない、ファンポクムと呼ばれるものが乗っています。ファンポクムは黄色くて生麩のような食感ですが、日本語では緑豆ゼリーと呼ばれるそうで、その名の通り緑豆から作られています。ご飯の上に乗っている具材の種類も豊富で、豊かな農民になった気分になれました。
そして、朝ごはんにとホテルを8時頃出て向かったのが、もやしスープの専門店です。行ったところは「もやしスープ屋街」で、そこの通りは両側とも何軒ものもやしスープ屋さんが並んでいました。日曜日の朝ということもあり、どこのお店も9時前なのに沢山のお客様でごった返していました。ここで食べたものはコンナムルクッパと呼ばれるもので、もやしスープの中にご飯が入っていました。キムチと目玉焼きがセットで出てきて、なんとなく朝からたっぷりと韓国らしさを味わえました。
そして、チョンジュの中心街から南に70kmほど行ったところには、淳昌と書いてスチャンという群があります。そこにはコチュジャン村と呼ばれるところがあり、何十軒ものコチュジャンを作っている家が並んでいます。 コチュジャンはもち米麹、唐辛子などを発酵して作る唐辛子味噌です。「コチュは唐辛子」という意味で、「ジャンは醤と書いて調味料」を指し、ビビンパには絶対欠かせない調味料のひとつです。高さ70〜90センチ、直径50〜60センチの甕に唐辛子の粉、大豆、麦、小麦粉、キビ、米麹、味噌、塩、醤油、砂糖で調整された味噌が仕込まれ、庭に並べられています。熟成させるのは大体2年ぐらいが普通だそうですが、味や熟成期間を調整して様々な種類が作られています。その通りは各お店の呼び込みが激しく、ちょうど伊豆半島の網代を通る時に激しく呼び込んで干物を売ろうとしている風景に似ています。お店に入ると今度はサンプル攻めで、ほとんどの物を味見させてくれます。味見してみると辛さや甘さも色々とあり、お店によっても全く味が違い、気に入った味を探して何店舗もの試食を重ねるのは楽しいものです。
その他にも豪華な韓国伝統料理や豊川(プンチョン)ウナギも食べました。プンチョン・ウナギとは、淡水で成長して産卵のために海へ出るときの淡水と海水の合流地点にいるものを指すそうですが、それを日本の焼肉屋さんのテーブルとまったく同じもので、自分たちで焼いて食べるのです。味はあっさり塩味と真っ赤な唐辛子濃い味の2種類で、こちらも日本ではお目にかかれないメニューに興味津々、嬉々として食事を楽しみました。

さてさて、来年はどこに何を食べに行きましょうか??? そう考えるところから食べ歩きの楽しみは始まります。
最新情報
ニュースリリース
展示会情報
メディア掲載情報
社報shinko〜親交〜
Today's Notables

HOME > 最新情報 > Today's Notables > 詳細

ページの先頭に戻る